厳冬期の赤岳

2022年1月4日(火)~5日(水)

参加者 6人

行動記録

1月4日 曇り

新宿7:20→中央自動車道→小淵沢インター→美濃戸口11:00→15:00赤岳鉱泉 テント泊

1月5日 快晴

4:30起床→6:20出発→7:00行者小屋→8:50地蔵の頭→9:40行者小屋→11:00赤岳鉱泉11:00→13:20美濃戸口→14:30鹿の湯→18:00新宿

1/4  新宿を7:20予定より少し早く出発。東京周辺は雲の無い晴天だったが西方の空には雲がちらほらと流れており、目的地に近づくと上半部に雲を頂いた八ヶ岳が見えた。

登山口である美濃戸口は標高1,492m、近づくにつれて道路にも氷雪が目立ちだしたので目的地直前でタイヤにチェーンを装着。

八ヶ岳山荘の駐車場に車を止めて準備をする。厳冬期のテント泊だけあって荷物は嵩張り各自が大型のザックに試行錯誤のパッキングを済ませてアイゼンを装着して出発。

赤岳山荘、美濃戸山荘を過ぎて北沢ルートを進むと林道の針葉樹には風と雪を受けて小さなモンスターができており、氷と雪の合間を沢が寒々しく流れていた。天候は車中で見た通りの曇天だが合間に見える青空と時折差す日光がありがたく感じられる。

重いザックに喘ぎながらも15:00に赤岳鉱泉に到着。有名なアイスキャンデーが聳え立ちクライマー2組のアイスクライミングをしばし観賞した。赤岳鉱泉は標高2220mにあり、平地の気温より13℃程低くなるためテント泊には相応の準備が必要となる。

新雪のためまずは整地を行う。テント2張りのスペースを足で踏み固めてシャベルで水平にならす。テントを張るため木片に張り綱を巻き付け(結わえると凍った時に解けなくなるので巻き付ける)シャベルで雪を20cm程掘った穴に埋めペグとすると夜間には雪が凍結して張り綱が固定される。

小屋の水は凍結して使えないためコンロで雪を溶かして夕飯と次の日の水を確保するが、鍋いっぱいの雪を時間をかけて溶かして少量の水を得る地道な作業が延々と続く。次の日に備えて早めの20:00に就寝。テントの中でもペットボトルは凍り、寒さで携帯等のバッテリー・電池類が上がってしまうためシュラフの中に入れて就寝する。

1/5 早朝4:30に底冷えする寒気をやり過ごしながら起床。昨日の夜には見えなかった空に星が確認でき天気の回復を期待させる。湯を沸かして水分を採り食事を済まし、各々のサーモスに湯を満たして出発の準備をする。

装備は目出し帽に着られるだけの防寒着とアイゼン、スパッツ、ピッケル、ヘッドライトとフル装備の出で立ちで6:20に行者小屋を目指す。ヘッデンを頼りに出発するが少し歩くと日が昇りモルゲンロートに染められた阿弥陀岳が樹林帯の合い間に覗く。

落葉樹には樹氷が育っており真冬の景観を鑑賞している間に行者小屋に到着。そこから赤岳を見上げると文三郎道を3人のパーティーが下山しているのが確認できた。情報に合った通り、例年にない豪雪のため引き返しているものと想像し、地蔵尾根にルートをとるが地蔵尾根も薄らとしたトレースしか見当たらない。

樹林帯は風もなく穏やかで雪も深くないため足取りは軽く歩みを進めるが、森林限界を超えて尾根に出ると徐々に風が増して雪も深くなる。森林限界を抜ける直前で休憩を入れなかった事が悔やまれる時には吹きっさらしの尾根上で急速に体温が奪われていく。

途中から完全にトレースは消えてラッセルでの前進となる。新雪の積もる尾根の下にデブリを確認。技術指導者より雪崩に警戒して進路を端に取るようにとの指示が出た。急登での新雪のラッセルは踏み固める余地もなく崩れるため思うように高度が稼げず時間と体力のみ消耗していくように思われた。

途切れ途切れに確認できる雪に埋まってしまっている階段や支柱を頼りに夏道を辿りコースタイム1時間程のところ1時間50分をかけて地蔵ノ頭に到着。青空の下、雪の合い間に黒い岩場を覗かせる赤岳、横岳、阿弥陀岳は厳しくも美しい冬山として在った。

気温はマイナス20度を下回り10m/s程の強風が岩陰もさらう様に渦巻いているため休憩中にも体温を奪われる。ペットボトルは凍り付きサーモスの蓋も凍って開かず、凍り付いたアンパンを口に入れて時間をかけて溶かして流し込み補給を終える。

各自指先、足先が悴み思うように動かない。赤岳は目前に迫っており1時間程の距離にあるが、切り立った尾根に連続する鎖場は小さなミスも命取りになるため凍り付いて悴む手足では危険と技術指導員が判断し下山する事とした。

目前に迫る赤岳はなんとも名残惜しくはあるが、例年にない寒波と豪雪の悪条件の中、限界に近い貴重な体験ができたものと思う。下りは新雪のクッションに甘えながら滑り降り、樹林帯からはトレースを利用したシリ(尻)セードでボブスレーのように快適に滑り降りた。

赤岳鉱泉まで着くと早々に撤収にかかる。テントを破かないようにアイゼンを外して撤収、パッキングの作業を1時間程行う。

11:00帰路につき温泉恋しさに快調に飛ばして13:20に美濃戸口に到着。鹿の湯に向かう途中でチェーンを手早く外して温泉を堪能する。帰りは渋滞も無く順調に18:00新宿駅に到着。新年早々充実した山行に貴重な経験を重ねられたと満足をして帰路に着いた。

記録 S・ H



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